「ことば」というものは、声に出すことによって、より深く心に届くものです。美しい言葉、力強い言葉がまず己の魂に沁み、そしてそれを『多くの心ある人々と分かち合いたい』‥「朗読」とはそういうものだと思います。

豊かなイメージ、心温もるメッセージを、微笑みとともに親しい人に、同胞に贈る‥そう、「朗読」は『愛の行為』なのです。 

朗読とは、
日本語の美しい響きを伝えること

「ことば」は民族の「精神の基盤」です。

どの国も自国の優れた文学を誇りとし、現代、イギリスではシェイクスピアが、イタリアではダンテが必修科目であり、フランスでは幼稚園児がラシーヌの美しいセリフを暗唱しています。

我が国・日本は「言霊の国」。奈良・平安の昔から今日まで、「物語」「歌集」「随筆」「紀行文」「浄瑠璃」「小説」など、宝石箱のような作品群が綴られ、その「美しいことばの響き」が、私たちの「心の土壌」となり、我が国の「精神の基盤」となってきました。

その、豊穣なことばの遺産を味わい直し、そして次の世代に伝えて行きたい‥それが私たちの願いです。

朗読とは、
日本のこころを伝えること

吉川英治さんの『新・平家物語』に「ことばは人間の骨組みとなる」という文章があります。
心の中に宿っている「ことば」がその人の「たたずまい」を決めるというのです。共通の言語を使う「民族」についても同じことが言えるでしょう。つまり「ことば」は「その国の姿である」と言い換えてもよいでしょう。

しかし我が国では今日、その豊かな「ことば」が目に見えて痩せ細っていると言わざるを得ません。

活字文化が廃(すた)れ、みんなが小学校3年生レベルの言葉で作られたTVドラマを観、アニメに熱狂し、大学生ですら教師の質問に単語でしか答えられない、つまり構文能力の無い人間が急増しているのです。

さらに今後、国語教育の中で「古典」は片隅に追いやられ、「論理国語」(「契約書の読み方」など)が中心になるというおそろしい『改悪』が行われようとしています。

日本の優れた「ことばの遺産」からこの国の人たちが受け継いできた、他に類の無い「こころの文化」が途絶えようとしているのです。

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では、他に類がない「日本のこころ」とはなんでしょうか?

日本の文学の際立った特徴は、主人公たちの殆ど全てが「敗者」つまり「無念な想いをした人たち」であることです。菅原道真・源義経・曽我兄弟・赤穂浪士、そして心中した恋人たち‥彼らに向ける「憐れみ」「同情」「いたわり」の心こそ、日本文化の、日本人の優しさの原点なのです。

それには、この国の明確な四季の移ろいによる「無常感」も大きく影響しているに違いありません。

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この「優しさ」の文化は次の世代にも伝えて行くべきものではないでしょうか。

この国の人々の、さらに国自体の「たたずまい」が美しく、凛としたものであるために。

しかし「古典」だけを学ぼうというのではありません。現代文にも受け継がれた、沢山の「味わい深いことば」や「見事な言い回し」を吸収し、音読することよって、あなたの「発信力」や「説得力」は格段に向上するはずです。

朗読する上で大切な力

声の大小・緩急・高低・強弱・間をコントロールする‥などの技術を学ぶ以前に、「聴く人に対する思いやり」、つまり「より豊かな『こころの景色』を共有したいという祈り」を持ちたいものです。

私たちはそれこそが「人に話しかけること」の原点と思っております。

有益なセミナーも、また講演や講義でも全く同じですね。

しかし同時に、「心地よい発声」「クリアな発音」「声を出す前の準備」「立体的な話し方」「ニュアンスの強調」など、身に付けるべき技術もあります。

株式会社朗読は『朗読』を教材に、「こころ」を繋ぐことの素晴らしさを、そしてそのために必要な「技術」をご一緒に学んで行きたいと思っております。

株式会社朗読の朗読とは
(他との違い)

  • 1.一言一句を落とさない

    作者は渾身の力を傾けて、文章を紡ぎ出します。たったひとつの単語や言い回しに辿り着くために、気の遠くなるような時間を要することもあります。

    我々はその作者の思いを読み取り、敬意を持って、一言一句を聴き手の「耳」に届けなければなりません。

    私たちはまず、岸から岸へ誠実にことばを届ける「渡し船の船頭」なのです。

  • 2.言葉や文章を理解

    作者はその文章で「なにを伝えたい」のか?

    大テーマは何か?

    当たり前のことですが、その「意図」が読み取れるまでは「音読」してはいけません。一度声に出すと「身体」がそれを記憶してしまうのです。

    なぜその「単語」なのか、なぜその「言い回し」なのか、ウラに隠されているメッセージは何か‥文章や物語の構造が読み取れ、腑に落ちるまで、様々な角度から検証してください。

    私たちは、物語の正体を探る「探偵」なのです。

  • 3.ダイナミック(抑揚)

    正しい理解の上で作る「強調ポイント」は思い切ってプッシュしましょう。

    物語の構造が読み取れ、そこにその文章がある理由が分かれば、自ずと強調するべき「単語」や「文節」が視えてきます。

    最も重要な言葉、つまり「イントネーション・アクセント」です。これはグッと握る、つまり「握力」をかけて語って下さい。

    「朗読」とは単に「朗々と読む」ことではありません。なんとなく「雰囲気で節をつけて読む」朗読は聴く側にとっては迷惑この上ないものです。何がポイントなのかわからないのですから。

    正しい理解の上で作る「強調ポイント」は思い切ってプッシュしましょう。

    正しい理解の上で作る「抑揚」は思い切ってプッシュしましょう。

    全体の味を生かすために、必要なポイントにアクセントをつける。

    私たちは「ことばの調理人」なのです。

  • 4.物語の立体化

    紙の上の活字は「2次元」ですよね。それを「3次元」つまり立体的な世界に立ち上がらせるのが朗読というものです。

    その中に景色や建物を配置し、人物たちを動かしてゆく。そして(朗読の)聴き手たちを、刻々変化する物語の展開に従い、(映画のカット割りのように)観る位置を変えて連れて歩き、その情景を体験させるのです。

    カット割りは(作者の意図を読み取って)あなたが決めて下さい。

    活字を音にしているだけではいけません。

    あなたが視えていない、感じていないものは、聴き手にも視えないし感じられないのです。

    私たちは平面に書かれた台本を、活き活きと立体化してみせる「3D映画の監督」なのです。

  • 5.倍音(発生)

    「話す人」の身体の状態はいつしか「聴く人」の身体に移ります。

    つまり「話し手」が「楽」に声を出すほど、メッセージは「聞き手」の心に届きやすくなるのです。先ず「話す」あなたの『声』を、「あなた自身が楽なもの」にしましょう。あなたの体に合った『あなたの声』があるのです。

    体がリラックスすることによって、喉や胸だけでなく体全体が共鳴して深い豊かな声になる‥この声を「倍音」と言います。

    これは外国由来のオペラや声楽の声ではなく、実は日本古来からの「丹田呼吸」「丹田発声」で得られる声なのです。

    日本人の身体と日本語に適したこの声を使いましょう。

    誰かの声を真似る必要はありません。

    あなたの身体に適した、あなたの体が喜ぶ声こそが、最も聴く人の心に届く声‥それはちょっとした発想の転換で簡単に見つかります。

    そうすればあなたは「聴く人の心を癒す声のマッサージ師」になれますよ。

  • 6.クリアな日本語(発音)

    聴き取りにくい音が数回続くと、人は聴く意欲を失います。

    せっかくの「心を込めたメッセージ」も発音が不明瞭な為に相手に伝わらないとしたら残念なことです。

    しかし(早口言葉のような)舌や口の訓練では発音は明確になりません。

    日本語には他国の言語と異なる際立った特徴があります。その特徴を理解してはじめて納得できる「驚異の訓練法」があるのです。しかも一度身に付けばもう繰り返す必要はありません。

この教室を

  • 経営者
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  • 声優

その他、「声」で何かを伝達しようとする人々(全人類か?)にお薦めします。

  • 「安心させる声」
  • 「聞き取りやすい発音」
  • 「文章構造の解析」
  • 「強調とニュアンス」
  • 「世界の立体化」
  • 「原稿や小説文のマーキング」

など、『説得力』『発信力』『表現力』を身につけて

「素敵な伝導者」になっていただきたいと思います。

坊ちゃん 冒頭

殺し屋ですのよ

『講師・壤晴彦プロフィール』
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動画とリモート学習を
中心に学べます

動画学習を主体とし、リモートによって補うことを基本とします。
場合によっては対面での指導も行います。

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